
ケニアには、協力隊員の有志で運営するユニークな奨学金制度があります。
発足から20年以上も経つ、歴史のある団体です。
ケステスとは
ケステス(KESTES)は、Kenya Students' Educational Scholarship の略で、ケニアのセカンダリースクール(日本での中3から高3に相当)の生徒に対する奨学金制度です。1983年の発足以来、運営はケニア青年海外協力隊員の有志によって行われています。「このKESTESという制度は、JICA事務所の援助も受けず、隊員が自分達の意志で作り、自分達のお金を出し合い、寄付金を集め、自分で運営しているという点で、隊員活動の中でも稀有な活動である」(6-3、理数科、森谷隊員、ケニア隊員機関紙『UPEPO』より抜粋)
発足のきっかけ
成績も良く、信頼も置ける。クラスのリーダー的存在だった生徒がある日突然学校に来なくなる。どうしたんだろう。聞けば、学費が払えない為に退学になったとの事。あの子ならケニアの将来を明るく変えていけたかもしれないのに…。義務教育では無いケニアのセカンダリースクールに配属となった隊員は、残念ながらしばしばこんな場面に遭遇します。お金も無い。任期も限られている。でも、何とかしたい!個人的に学費援助を行ってきた隊員達が、そんな期待を込めて作った奨学金制度、それがケステスなのです。
ケステスへの期待
・少しでも多くの生徒に奨学金を支給する事・奨学生への学費援助に継続性を持たせる事・選考による奨学金の支給により、奨学生自身に自信と学業への意欲を与える事・日本への広報活動を通して、ケニアの教育現状を報告・相互理解を呼びかける事
活動
・年3回の会議において、奨学生の推薦・選考及びその準備・年3回機関紙「ハランベーレオ」を発行、寄付者の方々への報告・ケニアおよび日本国内での広報、募金活動
参加方法
ケステスの運営資金は、皆様からの寄付により賄われています。ご意見やご質問、広報誌に関するご感想等がございましたら、お気軽にご連絡ください。お待ちしております。ケニア国内での寄付は、JICA KENYA OFFICE、及びケステス運営委員へよろしくお願いします。日本国内からの寄付は、隊員OB・OGが中心となって、受付けております。詳細はお問い合わせ下さい。
赴任中は役員としてケステスに関わりました。隊員による独自運営という、とてもユニークで貴重な団体だと思います。
当時は大統領選挙による隊員減少が控えており、その後の運営についていろいろと話し合ったのを覚えています。今も続いているというのは、本当に嬉しい事です。現役隊員の皆さん、その場その場の状況に合わせて柔軟に頑張って下さい。
